・10歳になる子がワキガの可能性があり、手術はいつ頃からできるのでしょうか?
・高校生女子です。小学生頃からワキガの自覚があり出来るだけ早く治療をしたいです。
ワキガの治療の一つである手術は、何歳頃に行うのが適切なのか?という悩みをもっている方は少なくありません。
子供にワキガが遺伝した親御さんは特に悩まれているのではないでしょうか。
ワキガは子供に遺伝する
ワキガは子供に遺伝することはご存知の方も多いでしょう。
脇にはエクリン汗腺とアポクリン汗腺という2つの汗腺があり、このうちのアポクリン汗腺から出る汗がワキガの原因とされています。
このアポクリン汗腺は生まれつき数が決まっており、アポクリン汗腺の量は遺伝で決まるのです。
アポクリン汗腺が多ければ多いほど、大きければ大きいほどワキガのニオイが強くなります。
子供へのワキガの遺伝確率
両親共にワキガの場合は、70,80%の確率。
両親の片方がワキガの場合は、50%以上の確率。
ワキガは優性遺伝のため、子供には比較的高い確率でワキガ体質が受け継がれます。
子供のワキガの手術・治療は何歳頃がベスト?
子供のワキガ手術の適切な時期は第二次性徴期、つまり思春期の終わった後が一番ベストと言えるでしょう。
年齢で言うと、男女共に18歳頃です。
ワキガの手術によってはダウンタイムがあったり術後でも通院をしなくてはならず、長期間の休みが必要となるため、高校卒業後の春休みや大学や専門学校の夏休みに手術するのが良いのではないでしょうか。
また、この頃ですと自分で手術すべきか判断もできる年頃になっているということもあります。
ただ、思春期の始まりと終わりは人によってばらつきがあります。
生活スタイルは人それぞれ、思春期にどれだけの栄養をとり運動をしたかによって個人差が出てきます。
ですので、ワキガの手術・治療のベストな年齢はあくまで目安として考えておきましょう。
そして、最終的に手術・治療を検討している場合は、必ず専門的な知識を持つ形成外科等の病院で一度診断、相談をしましょう。
中学生や高校生時のワキガ手術について
中学生や高校生の時期が本人や親にとって一番大変な時期かもしれません。
中学生や高校生になると、部活動で身体を使う機会が増えたり、恋愛を始めたりと人間関係を作っていく貴重な時期でもあります。
しかし、人によっては思春期がまだ終わっていない事もあるため、中学生や高校生だとワキガの手術をしても再発してしまう可能性があります。
それでも、ワキガ体質が原因で好きな部活動に集中できなかったり、人と接するのが怖くなって何も出来なくなってしまうぐらい深い悩みであるならば、まずは先生に診察をしてもらい相談することをお勧めします。
再発とはいっても元通りに戻ってしまうのではなくワキガの臭いは半分になったりとデメリットだけではないので、少数ではありますが手術を受けている子もいます。
また、その際は、本人がワキガの手術を本当にしたいかというところを大切にしてあげましょう。
ワキガ再発の危険や手術のリスクについて
思春期が終わる前の手術はワキガが再発しやすい
子供の友達関係や小学校や中学校での生活が不安で、すぐにでも手術・治療をしてあげたいかもしれませんが、基本的には思春期が終わる以前にワキガの手術・治療をすることはお勧めできません。
なぜかというと、再発のリスクが高いからです。
思春期中は、身体の発育と同時に、ワキガの原因でもあるアポクリン汗腺も生成発達します。
そのため、思春期中に手術をしてアポクリン汗腺を取り除いても、術後の数年間で新しいアポクリン汗腺が生成されてしまう可能性があるのです。
小学生の子供は特にワキガ再発の可能性が高い
小学生時など若い頃に手術をする程、再発のリスクが高くなるでしょう。
小学生のワキガ再発についてクリニックや整形外科のウェブサイトに書いてある事が多く、実際に再発してしまって再通院している人も見受けられます。
子供の場合は、いじめの原因にもなるので一刻も早く治してあげたい気持ちはすごくわかるのですが、再発しては何も意味がありません。
再発をした時は本人への負担も大きいはずです。
子供の未来のためにも慌てず、必ず医師に相談してから判断しましょう。
傷跡が残ることがある
ワキガの治療には色々な種類がありますが、剪除法(せんじょほう)という手術は保険が適用されるため、考慮されている方が多いかと思います。
しかし、この剪除法(せんじょほう)という手術は、再発の可能性が一番低いと言われているものの、脇の皮膚を切開するので切り口が大きくなり傷跡が残ってしまうということが多く見受けられます。
思春期の始まり=ワキガの発症時期
子供のワキガは一般的に思春期、中学に入る頃に発症すると言われています。
このブログを執筆している僕も中学生の時にデオドラントを手渡されたのを鮮明に覚えています。
しかし、現在では小学低学年の子供でもワキガを発症させているケースが増えています。
子供の身体の発育が早くなっていると同時に、ワキガの発症も低年齢化しているんです。
ちなみに、思春期は10歳~18歳までと言われており、男の子の方が1年くらい遅く始まって終わる傾向があるようです。
子供のワキガは何歳に発症する?
https://wakimen-happylife.com/when_wakiga/
思春期の身体の変化で気づく
思春期には、女の子と男の子の身体の変化が著しくありますので、以下の身体の変化があれば、同じく腋臭も発症し始める確率も高いので覚えておきましょう。
女の子の場合
初経が起きたり、乳房の発達、デリケートゾーンや脇に毛が生えてくる時期
男の子の場合
のどぼとけが出てきて声変わり、デリケートゾーンや脇に毛が生えてくる時期
子供の服のニオイで気づく
子供の洋服を洗濯する際に、脇部分を嗅げばワキガが発症したかわかります。
子供のワキガ治療の種類や費用について
子供のワキガ手術や治療は、基本的に大人が受けるものと変わりなく費用も同じです。
保険が適用される手術
まずは保険適用される治療や手術についてです。
ボトックス注射【治療】
脇汗を抑えてニオイを断つ!治療時間約5分のお手軽な施術
わきが程度 | 軽度~中程度 |
方法 | ボツリヌス菌の毒をわきの下に注入することでエクリン汗腺の活動を抑制し汗の分泌を抑える治療 |
費用 | 5~10万円 |
効果 | 3-6ヶ月程度 |
治療時間 | 片側で5分程度 |
痛み | ほぼなし |
手術跡 | なし |
保険適用 | あり(クリニックによって異なる) |
ボトックス注射は、軽度のワキガが対象となっており、効果は永続的なものではありませんが、治療時間約5分のお手軽な施術です。
ワキガの原因である脇汗を注入する菌で抑え、ワキガのニオイを抑制します。
詳しいことはコチラの記事にございますので、是非ご覧ください。
https://wakimen-happylife.com/treatment_botox/
剪除法(せんじょほう/皮弁法)【手術】
再発が稀なのと、唯一保険が適用する手術であるのもメリット◎
わきが程度 | 中・重度 |
方法 | ドクターの直視下で脇に切り込みをいれ、ひとつひとつ丁寧にアポクリン線を取り除く手術です。 |
費用 | 4万円~(保険適用考慮)、30万円(保険非考慮) |
効果 | 半永久的(再発ほぼなし) |
治療時間 | 1時間程度(抜糸等含め1ヶ月ほどの通院あり) |
痛み | あり(局所麻酔あり) |
手術跡 | 切開跡あり(3cm~5cm程度) |
保険適用 | あり |
剪除法(せんじょほう/皮弁法)は、保険が適用されることもあり、ワキガの手術で最もポピュラーな手術法といえます。
先生が直接脇を見ながら、皮膚を切開してワキガの原因であるアポクリン線を取り除く手術です。
切開跡が目立ちやすいのが唯一のデメリットと言えるでしょう。
保険適用の注意点
診察を受けて、先生からワキガと判断された人が保険適用で手術を受けることが出来ます。
脇が臭いからといって、全員が保険適用される訳ではないので注意しましょう。
自由診療の治療(非保険適用)
自由診療の特徴としては、保険が適用されない、再発の可能性がやや高い、痛みが少ないなどがあります。
レーザー治療【非直視下手術法】
最近注目されている切らない治療「ミラドライ」「レーザーデオドラント」
わきが程度 | 軽・中度 |
方法 | わきがの原因であるアポクリン線、汗の原因のエクリン線をレーザーで燃やす治療法です。 |
費用 | 30万円以上(クリニックによってまちまちです) |
効果 | 半永久的(重度の方がやると再発のおそれあり) |
治療時間 | 15~30分程度 |
痛み | ほぼなし(麻酔を打つ場合あり) |
手術跡 | なし |
保険適用 | なし |
切開跡がまったくできないメリットがありますが、火傷や再発といったデメリットもあります。
僕の母がこのレーザー治療を受けたのですが、見事に再発しました。
ワキガでレーザー治療を受けたが再発してしまったお話
https://wakimen-happylife.com/ope_experience/
皮下組織吸引法【非直視下手術法/クワドラカット法】
傷跡は小さいが、再発の可能性やや高めの治療法
わきが程度 | 中・重度 |
方法 | 脇に小さな穴を開け、細い管(カニューレ)を入れてワキガの原因となる組織を掻き出しながら吸引する手術です。 |
費用 | 15~20万円程度 |
効果 | 半永久的(再発率やや高い) |
治療時間 | 30分程度 |
痛み | ほぼなし(局所麻酔あり) |
手術跡 | ほぼなし(術後数日脇の固定あり) |
保険適用 | なし |
脇に小さな穴を開け、細い管(カニューレ)を入れてワキガの原因となる組織を掻き出しながら吸引する方法です。
切開傷が小さくて済むことがメリットでありますが、直視下手術法の剪除法(せんじょほう)に比べると、直接みて取り除いていないのでアポクリン線が残ってしまい、再発するデメリットもあります。
もっとワキガの治療法について知りたい方は
上記の治療や手術法は子供によく行っている施術をピックアップしたものです。
他の治療法を知りたい方はこちらからどうぞ。
わきがの手術【治療方法・費用まとめ】
https://wakimen-happylife.com/wakiga_ope_matome/
ワキガの手術が出来るまでのワキガ対策
子供のワキガ手術が出来るまでの期間、ワキガと共に生活をしていかなければなりません。
中学生や高校生までになると、デリケートな問題なので放っておくわけにもいきません。
そこで、中学生や高校生である本人や親御さん達にも自宅でできるワキガ対策を紹介します。
海外の制汗剤でワキガを抑える
このブログで一番お勧めしている方法で、海外の制汗剤を使用することです。
制汗剤は、脇に直接塗ることで汗腺に蓋をするので、汗ジミの原因である汗を直接止めてワキガのニオイを防ぎます。
3,4日に1回塗らなくてはいけない手間はありますが、びっくりするくらい脇汗とニオイを抑えられるんです。
どのくらい効果が得られたかというと、自分がワキガで多汗症であることを忘れてしまうくらい僕は効果を感じることが出来ています。
大げさだな、と思うかもしれませんが僕はありのままの話を話しています。
・学校についても汗ジミやワキガを気にすることはありません
・暖房の効きすぎている部屋に入っても気兼ねなく制服を脱ぐことができます
・電車に乗ってもワキガを気にすることはありません
・コートにニオイが染みついて気になることがほとんどなくなります
ブログ主がお勧めする海外制汗剤「デトランスα」
脇汗多汗症の方には、海外の制汗剤「デトランスα」を絶対的にお勧めします。
僕の母もこれでお気に入りの服を着るようになり、外出がとても多くなりました。
ワキガの人口が8割と言われている海外の制汗剤は、やはり効果と持続力が圧倒的に違います。
日本の薬局で販売されているものともレベルが違います。
効果が強い分、痒くなるなどのデメリットもありますが、一度塗れば3,4日はワキガと脇汗を気にすることなく過ごすことが出来ます。
その他のワキガ対策
①子供の心の変化を見逃さないこと
親として心配なのはワキガというよりは友達との関係やいじめに発展しないかということのはずです。
物理的なニオイ対策はもちろん必要ですが、ワキガが原因によって子供の生活に支障が出ていないかアンテナを常に張っておくことが重要なのではないでしょうか。
また、心配のしすぎも子供に無意識レベルで伝わってしまい、悩みに発展することがあるので注意しましょう。
②衣類を清潔に保つ
洗濯をまめに行ってニオイを取るのが理想なのですが、ワキガのニオイは一度染みつくとなかなかとれないのが厄介なんです。
僕もワキガのニオイがしみついて何枚も洋服を買い換えています。
お金が少しかかってしまうデメリットもありますが、新しい服を用意することもワキガのニオイ対策になります。
最後に
いかがでしたでしょうか。
子供のワキガは、学校生活にかなり影響してしまうので焦ってしまう気持ちは本当にわかります。
ですが、ワキガ手術は絶対に焦ってはいけません。
是非、子供のためにも慎重に冷静に判断してあげて下さい。
そして、本人の意思を優先してあげてください。
また、手術を検討している方は、手術への期待も医師によって違う事を覚えておくと良いかもしれません。
例えば、手術すればワキガのニオイを100%なくします!という医師もいれば、8割くらいのニオイを1,2割程度まで持っていければ充分成功!という医師もいます。
個人的には、100%なくすというのは逆にうさんくさく感じる事もあります。
手術に納得できるかどうかは、医師と細かい事を掘り下げてしっかり話をしておくことも重要です。
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